考えても考えても、答えが出ない。
「なぜこうなったのか」をぐるぐる追いかけて、気づけば心が疲れている―。
そんなあなたにこそ知ってほしい、心を軽くする“問いかけの切り替え方”。
何かうまくいかないことがあったとき。
落ち込んだり、つらい気持ちになったとき。
「なんでこうなったんだろう?」
「どうして私はこうなんだろう?」
つい、理由を探したくなりますよね。
あなたの中にある高い思考力や、原因を明らかにしたいという姿勢。
それは、これまでたくさんのことを乗り越えてきた、あなたの強みでもあります。
でももし、最近、心がどこか重たく感じていたり、考えてもモヤモヤが晴れない……
そんな感覚があるのなら。
もしかするとその「なぜ?」が、心を縛っているのかもしれません。
原因を探すことが、かえって前に進む力を奪ってしまうこともある
「なぜこうなったのか」を考えることで、
見えてくることも確かにあります。
けれど、
「原因がわからないと動けない」
「納得できる理由がないと先に進めない」
そんなふうに思い始めたら、要注意です。
原因探しは、時に堂々巡りになります。
思考がループし、
「また同じことを考えてる」と疲れてしまう……
それが続くと、
心のエネルギーがじわじわと削られていくんです。
「どうしたい?」に目を向ける
「なぜ?」をいったん脇に置いて、
かわりにこう問いかけてみてください。
「私は、どうしたいんだろう?」
「どう過ごせたら、少しラクになれそう?」
原因や過去ではなく、
いまの自分が求めていることに意識を向ける。
それだけでも、心の向きが少し変わってくるかもしれません。
カウンセリングの中でも、よく出てくる「なぜ?」
カウンセリングに来られる方の中にも、
「こういうふうに考えてしまうのは、
親の影響だと思うんです」
「たぶん、過去の○○が関係してる気がして……」
と、たくさんの“なぜ”を持ってこられる方がいます。
その探究心は、本当に素晴らしいものです。
でも同時に、私はよくこうお話しします。
「それよりも、“今のあなた”がどう感じているか、
一緒に見ていきませんか?」
過去の原因よりも、今の気持ち。
分析よりも、実感。
そこに光を当てることで、
心がふっと軽くなる瞬間があるんです。
まずは、「わからなくてもいい」と許してみる
「なぜ?」の答えがわからないことって、あります。
そして、それでも生きていけるんです。
大切なのは、完璧な答えを出すことではなくて、
「今の自分を大事にしながら、生きていくこと」。
「理由がわからなくても、今は疲れてるんだな」
「何もしたくない日もあるよね」
そうやって、自分にやさしいまなざしを向けることから、
心の回復は始まります。
次回は、
「これで合ってますか?」と聞きたくなったときに思い出してほしいこと
というテーマでお届けします。
「正解を探してしまうあなた」が、少しずつ
「自分の感覚」を信じていけるようなヒントをお届けします。
「考えすぎて疲れてしまうあなたへ―心が軽くなる7つのヒント【1】「なぜ?」を手放すと、心がふっと軽くなる理由vol.92」へのコメント
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