心を理解したくて、本を読んだり、言葉を集めたり。
それでも、どこか苦しさが残るときがあります。
そんなあなたに伝えたいのは、「知ること」よりも大切な、心との向き合い方です。
「カウンセリングって、勉強になりますね」
そう言ってくださる方がいます。
ノートに丁寧にメモを取りながら、
一言一言を大切に受けとめようとするその姿に、
私はいつも胸を打たれます。
心のことを知りたい。
自分をよく理解したい。
その思いは、とても大切な“前向きさ”の表れです。
でもときどき、こう感じることもあります。
「もしかすると、そんなに頑張らなくても、大丈夫なのかもしれませんよ」と。
知ることは大切。でも、それだけじゃ足りないときもある
たしかに、心理学の知識や理論は
心を整理する手助けになります。
でも、心がつらいときに必要なのは、
「正しく理解すること」よりも
「今を感じること」だったりします。
たとえば──
「私は人の目を気にしすぎるのは“承認欲求”が強いからです」
そうやって言葉で理解しても、
苦しさがすぐ消えるとは限りませんよね。
「今日は、誰にも会いたくない」
「なんとなく不安で、涙が出そうだった」
そうやって、
知識では説明できない“気持ち”に触れることが、
とても大事なんです。
「わかる」ことと、「癒える」ことは、少しちがう
本を読んでも、動画を見ても、
「なるほど!」と思うことはたくさんあると思います。
でも、心が少しずつ楽になっていくのは、
そんな“知識”を通してではなく、
【誰かに話してみたとき】や【涙がこぼれたとき】だったり
しませんか?
うまく言えなくても、まとまっていなくても、
【今ここにある気持ち】をそのまま受けとめてもらえたとき、
心の深いところに、じんわり届くものがあるのです。
うまく話そうとしなくて大丈夫
「こんなこと言って、変に思われないかな」
「もっとちゃんと話せたらいいのに」
そんなふうに思ってしまうこともありますよね。
でも、カウンセリングの場は、
うまく話す場所ではありません。
【どんなあなたでも、安心していられる場所】でありたいと
私は思っています。
がんばって学ぼうとしているあなたも、
それでも苦しくなってしまうあなたも、
どちらもそのままで、ここにいていいんです。
次回は、
「気持ちを置き去りにしていませんか?──感情と仲直りする方法」
というテーマでお届けします。
「感じるのが苦手」「感情を後回しにしてしまう」
そんなあなたの心が、少しずつやわらかくなるようなヒントを綴りますね。
「考えすぎて疲れてしまうあなたへ―心が軽くなる7つのヒント【3】心のことは「勉強」しなくていい──知識より大切なものvol.94」へのコメント
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