【新任教員】「私にできるかな…」4月からの不安を期待に変える心の準備vol.106

3月も半ばを過ぎると、街中でフレッシュなスーツ姿の方を見かけるようになります。
きっとあなたも、4月からの新生活に向けて準備を進めているところではないでしょうか。

「子どもたちと会えるのが楽しみ!」というワクワクする気持ち。
それと同時に、ふとした瞬間に襲ってくる、
「私なんかが先生になって、本当にやっていけるんだろうか?」という冷たい不安。

元教員・元教頭の産業カウンセラー、坂梨かりんです。

今日は、これから教育現場という荒波に漕ぎ出すあなたへ。
元管理職として、そして心の専門家として、
「教師として長く、笑顔で走り続けるための心の準備」についてお伝えします。

これは、授業の技術よりもずっと大切な「プロとしての生存戦略」です。

「期待」と「不安」のシーソー。そのドキドキは正解です

まず最初にお伝えしたいのは、
今あなたが感じている「不安」は、
決して悪いものではないということです。

「もし、授業がうまくいかなかったらどうしよう」
「保護者の方に信頼してもらえるだろうか」

こうした不安は、
あなたが教師という仕事を
「責任ある尊い仕事」だと理解しているからこそ
生まれる感情です。
いい加減な気持ちでいれば、怖さなんて感じません。
そのドキドキは、
あなたが「良い先生になりたい」と願っている証拠。
だから、
その不安を無理に消そうとしなくて大丈夫です。

「不安になってもいい。それだけ真剣なんだ」
まずはそうやって、
ご自身の緊張感を優しく受け止めてあげてください。

教師の仕事は短距離走ではない。「マラソン」として捉える

新任の先生が最も陥りやすい罠。
それは、
4月のスタートダッシュで「全力疾走」してしまうことです。

  • 朝は誰よりも早く来て鍵を開ける
  • 休み時間も子どもたちと全力で遊ぶ
  • 夜遅くまで教材研究をする
  • 土日も部活や準備に捧げる

その情熱は素晴らしいのですが、
教師の仕事は1年、いや数十年続く「マラソン」です。
スタート直後に100メートル走のペースで走れば、
ゴールデンウィーク明けには息切れして倒れてしまいます
(いわゆる五月病の正体です)。

プロの教師に必要なのは、
瞬発力よりも「持続力」です。
「今日は60点でもOK」
「土日はしっかり休んでリフレッシュする」
これはサボりではなく、
来週また笑顔で子どもたちの前に立つための
「ペース配分」という重要な業務なのです。

プロの義務!「自分をケアすること」は生徒を守ること

ここで、少し厳しいこともお伝えします。
「自分のことは後回しで、生徒のために尽くす」ことが
美徳だと思っていませんか?

それは間違いです。
教師であるあなたの心が健康でなければ、
目の前の子どものSOSに気づくことはできません。
あなたが余裕をなくしてイライラしていれば、
教室の空気は一瞬で悪くなり、
子どもたちは不安定になります。

飛行機の緊急時の酸素マスクと同じです。
「まず大人がマスクをつけ、その後に子供につける」。
大人が倒れてしまったら、
子供を助けることはできないのです。

美味しいものを食べる、趣味に没頭する、しっかり寝る。
これらは「自分への甘やかし」ではなく、
「プロとして最高のパフォーマンスを出すためのメンテナンス」だと認識してください。

【重要】カウンセリングは「病気の人が行く場所」ではありません

そして、メンテナンスの一つとして、
ぜひ「カウンセリング」をリストに入れてください。

多くの方が勘違いしていますが、
カウンセリングは
「心が病気になってから行く場所」ではありません。
欧米のエグゼクティブ(経営者)や
トップアスリートにとって、
メンタルコーチをつけるのは常識です。
それと同じで、
教師という感情労働のプロにとっても、
心の定期検診は不可欠です。

職員室では言えない「弱音」を吐き出してスッキリする
自分の考え方のクセ(認知の歪み)を知って、
 ストレスを減らす
「これでいいんだ」と自己肯定感を高める

美容院に行って髪を整えたり、
ジムに行って体を鍛えたりするのと同じ感覚で、
「心を整えるために」気軽に利用してください。
「辛くなってから」ではなく、
「元気なうちに」プロとつながっておくこと。
これが、
長く教師を続けるための賢いリスクマネジメントです。

あわせて読みたい:
カウンセリングは心のジムvol.7

まとめ:あなたは一人じゃない。プロの伴走者を頼って

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
そして、教師という素晴らしい仕事を選んでくれたことに、心から敬意を表します。

現場は楽しいことばかりではありませんが、
子どもの成長に関われる喜びは、何物にも代えがたいものです。
その喜びを長く味わい続けるために、
どうか「一人で頑張りすぎない」と約束してください。

学校の中では言いにくい悩み、プレッシャー、
あるいは「ただ話を聞いてほしい」という時。
学校の外にいる「元教頭」を思い出してください。
私はあなたの評価者ではありません。
あなたの「先生としての第一歩」を全力で支える、利害関係のない第三者です。

心のメンテナンスをして、万全の状態で4月を迎えましょう!

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