教員が自信喪失した時の心の整え方|辞めたい・異動の不安を消す処方箋vol.103

職員室に漂う、独特の緊張感。校長室のドアが開く音にビクッとしてしまう。2月から3月にかけてのこの時期、先生方の心は休まる暇がありませんね。

「今年度のクラス運営、うまくいかなかったな……」
「もし異動になったら、新しい学校でやっていける自信がない」
「いっそのこと、このタイミングで辞めてしまおうか」

そんなふうに、一人で自分を責めていませんか?

元教員・元教頭のカウンセラー、坂梨禾森(さかなしかりん)です。
管理職として人事に関わってきた経験と、心の専門家としての視点から、この時期 特有の「自信喪失」の正体と、そこから抜け出すための具体的な方法をお伝えします。この記事を読み終える頃には、少しだけ肩の荷が下りているはずですよ。

「異動したかったのにできなかった」という先生へ
この記事は「異動や退職の不安を抱える先生」向けですが、もしあなたが「異動希望が叶わず、残留が決まって絶望している」という状況なら、以下の記事があなたの助けになります。
▼ 「また同じ学校で1年…」と閉塞感や自己否定に苦しんでいるなら
[異動できない教員の絶望感「またこの学校で1年…」心を守る対策法]

なぜ年度末、教員は「自信喪失」し辞めたくなるのか

まずは、あなたの心がなぜ今、これほどまでに辛いのか、その原因を客観的に見ていきましょう。

この時期の先生方は、1年間の疲労がピークに達しています。卒業式や修了式の準備、要録の作成など、業務量は膨大です。心身ともに余裕がない状態で、「人事異動」という最大の不確定要素にさらされるのですから、メンタルが揺らぐのは当然のことです。

実際、決してあなた一人だけが弱いからではありません。
文部科学省の調査でも、教職員の精神疾患による病気休職者は高止まり傾向にあり、学校現場のストレスがいかに深刻であるかがわかります。

参考データ:
文部科学省:公立学校教職員の人事行政状況調査(外部サイト)

このように、多くの先生方が限界ギリギリの状態で踏ん張っているのが現状です。

特に真面目で責任感の強い先生ほど、この時期に「認知の歪み」が起きやすくなります。例えば、クラスで少しトラブルがあっただけで「私は教師失格だ」と全否定してしまったり、校長先生の何気ない視線を「あの先生はダメだと評価されている」と思い込んだりしていませんか?

これを心理学では「全か無か思考」や「マイナス化思考」と呼びます。疲労困憊の状態では、誰でもネガティブなフィルターを通して物事を見てしまうものです。

まずは、「今の自信のなさは、私の能力のせいではなく、時期的な環境と疲労のせいかもしれない」と、自分を許してあげてください。あなたは十分、頑張ってきました。

「異動=マイナス評価」は誤解。自信喪失を救う人事の裏側

次に、多くの方が恐れる「異動」について、元管理職の立場から少し裏側をお話しします。

「異動させられるのは、 今の学校にいらないと言われたからだ」そんなふうに思っていませんか?実は、それは大きな誤解であることが多いのです。

管理職が人事異動を検討する際、もちろん課題があって異動をお願いすることもありますが、それ以上に多いのが「組織の活性化」や「あなたのキャリアアップ」を考えた配置転換です。

「あの先生の力で、次の学校の課題を解決してほしい」
「そろそろ中堅として、違う環境で視野を広げてほしい」
「今の学校では人間関係が固定化しているから、リフレッシュして輝いてほしい」
このように、期待を込めた異動であるケースも非常に多いのです。

しかし、管理職はその意図を全て本人に伝えることはできません。その結果、情報の空白部分を先生ご自身の不安が埋めてしまい、「私はダメなんだ」という誤った解釈が生まれてしまいます。

「異動は評価ではなく、ただの役割変更」。
そう捉え直すだけで、必要以上に怯えることはなくなります。評価におびえる必要はありません。あなたはあなたのままで、価値があるのですから。

異動の不安を解消!自信喪失した時に試すべき「心の整え方」

原因を知り、捉え方を変えたら、次は具体的な行動に移りましょう。
不安というのは、実体のないお化けのようなものです。「どうなるかわからない未来」を考えれば考えるほど、お化けは大きくなります。

アドラー心理学に学ぶ「課題の分離」の活用法

不安を断ち切る唯一の方法は、「今、ここ」に集中することです。アドラー心理学でいう「課題の分離」を使いましょう。
「人事の結果」は、管理職や教育委員会が決めることであり、あなたがコントロールできない「他者の課題」です。一方で、「残りの日々を子どもたちとどう過ごすか」「自分の体調をどう整えるか」は、あなたがコントロールできる「自分の課題」です。

今すぐできる!心を落ち着かせる3つのスモールステップ

主語を自分に戻し、教員としての自信を取り戻すために、以下のワークをおすすめします。

・「できたこと」リストを作る
今年度、小さくてもいいので「できたこと」を10個書き出してみてください。「子どもが笑ってくれた」「期限通りに書類を出せた」で十分です。

・デスクの整理をする
物理的な片付けは、心の整理に直結します。不要な書類を捨てることで、執着や不安も一緒に手放せます。

・睡眠を優先する
どんな悩みも、睡眠不足の頭では解決しません。今日は30分早く眠るようにしましょう。「どうなるか」ではなく「どうするか」に集中することが大切です。

職員室で「教員を辞めたい」と言えない孤独を救うには

そうは言っても、一人で抱えきれない不安が押し寄せることもあるでしょう。「辞めたい」という気持ちや、管理職への不信感、同僚への嫉妬心……。こうしたネガティブな感情は、壁に耳あり障子に目ありの職員室では絶対に口に出せませんよね。

感情の抑圧が身体の不調(不眠・動悸)に変わる前に

どこで誰が聴いているかわからない環境では、本音を吐き出す場所がありません。しかし、感情は抑圧すればするほど、不眠、動悸、腹痛などの身体症状となって現れます。そうなる前に、「利害関係のない第三者」を頼ってください。ここで役立つのが、カウンセリングです。

教員経験のあるカウンセラーだからこそ分かち合えること

特に、教員経験のあるカウンセラーであれば、あなたの置かれている状況や、学校特有の「空気感」、専門用語などを説明しなくても、すぐに理解し共感することができます。「元教頭なんて、説教されそうで怖い」と思われるかもしれませんが、今の私はあなたの評価者ではありません。あなたの味方です。守秘義務のある安全な場所で、泥のように重たい感情をすべて吐き出してみませんか? 話すことは、放すこと(手放すこと)につながります。

まとめ:自信喪失を乗り越えて、自分らしい教員のキャリアを描くために

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

新年度を前に、心が揺れるのは、あなたが真剣に仕事に向き合っている証拠です。「辞める・辞めない」という大きな決断を、心が疲弊している今、急いで下す必要はありません。まずは、張り詰めた糸を少し緩めて、ご自身の心をケアすることを最優先にしてください。

元教頭として、そして一人のカウンセラーとして、頑張る先生方が笑顔で新年度を迎えられる(あるいは、納得して新しい道を選べる)よう、全力でサポートします。一人で悩み続けて、心が折れてしまう前に。まずは一度、誰にも言えないその胸の内をお話しに来てください。

▶ 参考:『お疲れ気味の先生へ』

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※新年度前は駆け込み相談が増えます。枠が埋まる前にお早めにご予約ください。

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